あれだけ厭った 煙草
疎ましかった 煙
いつからか心地よくなっていて
今こうして手放せないのは 何故だろう
あいつのにおいが 煙草のにおいに
煙は あいつのバカでかい手のひら
ふかして 眼を閉じ 想う
あえなく 消えた
あえない 事実
今でも嫌いな 煙草
疎ましい 苛立たしい
ろくに味わうこともなく
ただ短くなったそれを
乱暴に 揉み消して
それでも
新しい箱を開ける度に
ゆっくりと火を 点ける度に
どうしようもないな
笑う あいつ
むらさき 煙昇る先に何を追い掛ける
あきかぜ 集まりゆく雨雲に問い掛ける
多分 いつまでもこの場所に立ち尽くして
追い 賭ける
味が解るようになったかどうか 判らないけど
それでもこの手の中に
いつかの空き箱
カラオケ入済みと入予定曲 全部じゃないよ
カラオケ入済みと入予定曲 全部じゃないよ